医療政策・管理学教室--慶應義塾大学医学部

研究

研究テーマ

当教室では、国の次元から地域、病院、個々の臨床場面の各次元まで、実証的な分析に基づいた、「政策」(政府の策ではなく基本理念や指針という意味) と、それに沿って適切に「管理」するシステムの研究を課題としている。その範囲は医療にとどまらず、介護や福祉の政策も視座に含んでおり、非常に幅広い分野にまたがっている。

診療報酬に関する研究
急性期入院医療に対してはDPC (Diagnosis Procedure Combination) による包括評価が、慢性期医療入院医療に対しては医療区分・ADL区分による包括評価が導入された。これらの分類方式の適切性や、医療の質や費用に及ぼす影響等の検討を行っている。

研究課題例

  • 患者分類に基づく慢性期入院医療の質の評価等に関する調査研究
介護保険に関する研究
2000年より介護保険制度が施行され約10年が経過し、様々な課題を抱えつつも発展してきた。長期ケアや高齢者ケアと呼ばれるこの分野においては、急性期医療とは異なる面もあり、その特性に沿った制度や管理のあり方を検討する必要がある。教室では、介護保険施策に関わるタイムリーな実証研究を自治体やサービス提供機関との共同研究を中心に取り組んでいる。また、当教室内では国際的な高齢者ケアの研究組織であるinterRAIの活動に参画し、長期ケアの質の評価 (Quality Indicator: QI) の測定やデータベースの構築を行うインターライ・ケア研究会事務局が置かれている。

研究課題例

精神科医療に関する研究
精神医療におけるアウトカムは患者特性、医療提供側特性が複雑に絡み合っており、また長期の経過をたどる事が多く、その実態を把握する事は難しい。その実態を明らかにするために、多様な探索的データ解析の手法を用いて研究を行っている。

研究課題例

  • 精神障害者社会復帰サービスニーズに関する研究
  • 精神科医療におけるケアのアウトカム規定要因に関する研究
  • 児童・思春期における精神医療の実態に関する研究
終末期ケアに関する研究
これまでの終末期ケアは、がん患者に対する緩和ケアに重きが置かれてきたが、今後は一般の病院や、介護保険保健施設、在宅におけるケアが中心となる。教室では、一般住民の意識調査や、患者の遺族を対象として終末期ケアの質を評価する研究行っている。

研究課題例

  • 地域における終末期ケアの意向と実態に関する研究
    (厚生労働省 老人保健健康増進等事業)
    20年度報告書 21年度報告書
  • 終末期医療のあり方に関する調査手法の開発に関する研究
    (厚生労働省 地域医療基盤開発推進研究事業)
    23年度報告書
  • 在宅拠点の質の向上のための介入に資する、活動性の客観的評価に関する研究
    (厚生労働省 地域医療基盤開発推進研究事業)
    終末期ケアに対する対応(分担研究)
    24年度報告書
医療・保健・福祉 制度の国際比較に関する研究
諸外国における医療・保健・福祉に関連する制度や提供体制の政策担当者、関係団体等とのインタビュー調査や統計資料等の収集を通じ、質・効率性・公平性などの観点から比較検討を行っている。

研究課題例

  • 訪問介護による生活援助と機能状態の関係:デンマークにおけるパネルデータの検証からみた今後の日本の介護予防施策 (財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団・2009年国際共同研究助成・石橋智昭)
疫学研究
医療政策・管理学における実証研究の基礎となる方法論は疫学であるため、当教室でも疫学研究を行っている。特に、秋田県立脳血管研究センター疫学研究部と共同で、脳卒中疫学の研究を行っている。

研究課題例

  • 脳卒中の再発に関する研究
  • 脳卒中の発症リスク因子に関する研究

研究業績

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