医療政策・管理学教室としての役割は、社会の中に溢れている情報を目的に沿って取捨選択し、その流通する範囲や経路、安全性をコントロールすることの重要性や方法論について、電子カルテ、情報セキュリティ、情報倫理、情報流通、メディアリテラシーと言った視点から学ぶことを目的としている。また、平成28年度より新たに開始されたリサーチコンプレックス推進事業における各種ICTプロジェクトの紹介を通じて人工知能や深層学習等を含む最先端データサイエンスの動向についても解説し、具体的な社会実装の手順を示しつつどのように地域や日本全体のWellbeing向上に貢献できるかについても取り組んでいる。
メディカルプロフェショナリズムⅡでは、医療制度・医療政策の基礎と、それらを理解するうえで必要な行動科学・経営学・経済学の基本を理解することと定めている。
医療政策・管理学では、日本は社会保険の枠内で医療が提供されるので、医師の医療は医療政策の動向によって大きく影響される。医療政策の基本的な矛盾は、患者としては最高の医療を求めているが、国民としては最小の医療費負担を求めている点にあり、この矛盾はしだいに拡大している。そこで、医療政策を理解する上での基本的な枠組みを習得し、医師として今後の医療政策の転換に対して、能動的に対応できる基礎を形成することが目的となっている。
※社会医学系3教室(医療政策・管理学教室、衛生学公衆衛生学教室、法医学教室)合同
社会医学系3教室合同のメディカルプロフェショナリズムVでは、3教室それぞれが目標を定め、医療政策・管理学教室では、地域医療における医療政策を、医師の偏在や医師のキャリア設計、地域医療の質など様々な側面から学び理解することを目的としている。
臨床現場が主体となる医療の質の改善、診断治療法・医療技術の継続的な革新、ステークホルダーの連携による持続可能な最善の提供体制、などを実現するための臨床研究、医療政策研究を行うことを研究テーマに掲げている。
修士・博士(公衆衛生学、医療マネジメント学)の学位プログラムに対応し、分析手法科目、専門科目、後期博士課程設置科目について教室を挙げて担っている。
殿町WRC(ウェルビーイングリサーチキャンパス)においては、IoTやAI等の先端技術を含む医療ICTを他の大学や研究機関、行政組織、民間企業等との多彩な共同研究を通じて、実社会にウェルビーイングをもたらすことのできる社会実装を出口とした研究開発および教育活動を行っている。